ノイズハンター、ノイズレコーダとも「実用性とシンプル性」を基本コンセプトとして開発されたものであり、従来の観測法とは異なる新しい観測法によっております。
すなわち、通常、電磁雑音の測定は、VCCI規定等にも採用されているように、空間に存在する電界強度(dBμV /m)を測ることが常識となっております。
これに対して弊社の観測法は、ケーブルや金属体等の表面に誘起された高周波電位(広帯域--20KHz〜1.6GHz 程度--に存在する高周波エネルギの総和を実効値で表したもの、単位dBμV )を直接測定することを基本としています。
これは3m法、10m法ではなくいわば0m法による観測に相当します。
このため、従来法より正確なノイズ発信源の観測(EMI観測)ができ、かつ、必ずしも専門家によらない、個人差のない極めて軽装備の現場測定が可能となりました。(もちろん、更に周波数の特定等の詳細計測が必要となる現場には上記簡易測定の後スペクトラムアナライザ等の重装備品が持ち込まれることになります。)
ノイズハンター(Y-9001、P-1001)は発売後数年経っており販売実績は約1000台です。
Y-9001は、長年に亘る現場での電磁ノイズ問題との格闘の中から「電磁雑音簡易測定器」として生まれたものであり、電磁波発生源の探索やノイズ対策実施効果の確認等のための電磁波環境調査には打ってつけの計器です。「EMC' 89 NAGOYA」、「EMV'90IN KARLSRUHE」に出展し、特に欧米のエンジニアから高く評価されました。電機・通信関係の企業はもちろん大学にも納入実績があります。90dBμV 以上の連続波に関しては1dBμV 刻みの目盛りで正確な測定ができます。
P-1001は、「機器障害を引き起こすノイズ波の大半は連続波よりもモノパルス波である可能性が高い」とのNTT(武蔵野通研)殿他の見解を考慮して開発したものです。現にNTTファシリティーズ鞄a(旧NTTの建築・設備部門)が実施する情報・通信機械室内工事で使用される電動工具類が発する妨害ノイズの事前チェック計器として採用(スペックイン)されているものです。「中小企業優秀新技術・新製品賞(平成3年度)」(あさひ中小企業振興財団及び日刊工業新聞社主催)を受賞しております。
ノイズレコーダ(R-5001)は最近発売を開始した新製品です。
「無人状態でもノイズの発生状況や経路を簡易に把握(記録)できないか?」とのユーザー要望が持ち込まれたのに対応したものです。
広帯域にわたる電磁波(連続波及びモノパルス波)の挙動を時間を横軸としたアナログ波形として記録するシステムはまだ世界的にも例がないのではないかと思われます。
電磁波の波形と発生時刻の自動記録も可能であり、また得られたデータの把握が直感的に行えるため、電磁波データの収集や発生源の推定作業等の大幅な効率化が期待されます。
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